海外では、アメリカやブラジルなどでバイオエタノールの利用が進んでいる。
米政府は今月10日、エタノールなどガソリン代替燃料の今年の普及目標を自動車燃料全体の4・02%に設定した。この比率を17年までに15%に高める計画だ。
アメリカがバイオエタノールに力を入れる背景には米自動車業界の働きかけもあるようだ。米自動車メーカーはハイブリッド車などの環境対応技術で日本メーカーに大きな差を付けられた。バイオエタノールの利用なら米メーカーも有利に戦えるとの計算があるという。
ブラジルではバイオエタノールをガソリンに20~25%配合しているほか、欧州連合(EU)はバイオ燃料の比率を10年に輸送用燃料の5・75%まで高める方針だ。
ガソリンとの混合方式はアメリカ、ブラジル、中国、インドが直接混合を採用している。ETBEを併用するEUも、混合比率を高めるため、直接混合を増やす議論が始まっている。
(2007年4月16日 読売新聞)
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地球温暖化対策として植物資源から作った「バイオエタノール」の混合比を10%に増やした次世代のガソリン燃料「E10」に対応するため、国土交通 省は道路運送車両の保安基準を改正する。現行基準は同3%までが前提だが、米国やブラジルなどのように、日本もより高濃度のエタノール混合燃料の普及を目 指しており、将来的に車両側の対策が必要になるためだ。
国交省によると、エタノール濃度が高まると、燃料の配管が腐食する恐れがある。また、蒸発するガスの圧力が高まり、燃料タンクから光化学スモッグの原因物質が漏れ出る可能性もあるため、これに対応した耐久性や気密性を備えた部品が必要になる。
保安基準の改正に先立ち、同省は夏ごろにE10対応の技術指針をつくり、これに基づいた試作車で公道での走行試験を実施。その結果を保安基準や関連する告示に反映させる。(2007年5月12日 朝日新聞)